山川 日本史小辞典 改訂新版 「長崎海軍伝習所」の解説
長崎海軍伝習所
ながさきかいぐんでんしゅうじょ
江戸幕府が長崎に設けた海軍の教練機関。幕臣だけでなく,諸国から人材を集めて洋式の海軍術を学ばせた。1855年(安政2)11月,永井尚志(なおゆき)を所長として長崎奉行所に開設,オランダ海軍大尉ペルス・ライケンをはじめ22名の教官を招いて開講した。学科は航海術・運用術のほか造船学・砲術・測量学・数学などで,オランダから寄贈された観光丸(スンビン号)が実地訓練に使用された。57年3月には,勝義邦(海舟)・小野友五郎・榎本武揚(たけあき)などの修業生をだす(第1次伝習)。第2次の伝習はオランダ海軍士官のカッテンダイケを中心に行われたが,59年4月,中途で閉鎖した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報