朝日日本歴史人物事典 「長覚」の解説
長覚
生年:暦応3/興国1.8(1340)
南北朝期の真言宗の僧で,同時代における高野山の密教哲学研究の第一人者。出羽出身。湯殿山の長宣に師事して出家。高野山に登り,義宣や頼円など多くの学匠から密教を修学する。さらに鎌倉,能登など各地の学問僧を訪ね,真言密教や悉曇(サンスクリット)学の研讃を積む。高野山に戻ったのちは,道範の不二門の考え方を継承し,長誉ら多くの学徒を育成して黄金時代を現出した。著書に『大疏指南鈔』『悉曇字記鈔』などがある。
(正木晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報