安達(読み)アダチ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「安達」の意味・わかりやすい解説

安達(中国)
あんだつ / アンター

中国、黒竜江(こくりゅうこう)省南西部の県級市。綏化(すいか)地級市に属する。常住人口47万2716(2010)。古くはトルポト旗で、1913年県となった。1984年市制施行。農業のほかにウシの放牧、牛乳加工が盛んである。市内を浜洲(ひんしゅう)線が通る。1960年ごろから付近の大慶(たいけい)油田の開発が進み、新しい石油産業基地として急速に発展した。1965年安達市(現、大慶市)から安達県(現、安達市)を分離した。安達市と大慶市は約30キロメートル離れている。

[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]


安達(福島県)
あだち

福島県中北部、安達郡にあった旧町名(安達町(まち))。現在は二本松市の北部を占める地域。旧安達町は、1960年(昭和35)町制施行。2005年(平成17)岩代(いわしろ)、東和(とうわ)2町とともに二本松市に合併。JR東北本線、国道4号、東北自動車道が通じる。旧名称は中世の荘園(しょうえん)名にちなむ。中心の油井(ゆい)は『延喜式(えんぎしき)』の湯日駅に比定する説がある。また、油井、二本柳地区は旧奥州道中(仙台、松前道)の宿であった。近世は二本松領。地域の大部分阿武隈(あぶくま)高地西縁の丘陵地で、西は安達太良山麓(あだたらさんろく)に及ぶ。農林業を主としており、和紙の特産がある。

[安田初雄]

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百科事典マイペディア 「安達」の意味・わかりやすい解説

安達[町]【あだち】

福島県北部,安達郡の旧町。東部阿武隈(あぶくま)川左岸の低地,西部は安達太良山(あだたらやま)の斜面陸羽街道(国道4号線)沿いの油井(ゆい),渋川に市街発達,二本松市街と連続し,東北本線が通じる。水稲蔬菜園芸の栽培が盛ん。2005年12月安達郡東和町,岩代町と二本松市へ編入。44.35km2。1万2048人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安達」の意味・わかりやすい解説

安達
あだち

福島県北東部,二本松市北部の旧町域。阿武隈川の中流域にある。 1955年渋川村,上川崎村,油井村の3村が合体して安達村となり,1960年町制。 2005年二本松市,岩代町,東和町と合体して二本松市となった。農業が主。古くから阿武隈川の流れを利用して上川崎和紙がつくられていたが,第2次世界大戦後はパルプ製紙に押されて衰退。醤油醸造,精密機械などの工場がある。福島市と二本松市の間に位置していたため,ベッドタウン化が進んだ。高村光太郎著『智恵子抄』の智恵子の生家が油井にあり智恵子記念館となっている。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安達」の解説

安達 あんだち

?-? 飛鳥(あすか)時代の僧。
白雉(はくち)4年(653)遣唐使吉士長丹(きしの-ながに)に随行し,定恵(じょうえ)らとともに唐(とう)(中国)にわたる。俗姓は中臣。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「安達」の解説

安達
(通称)
あだち

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
安達ケ原 など
初演
宝暦13.2(大坂・竹田座)

安達
あだち

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
安政3.5(和州・堺芝居)

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世界大百科事典(旧版)内の安達の言及

【中臣大嶋】より

…鎌足の従弟渠毎(こめ)の子で中臣金(くがね)の甥。兄の僧安達(あんだち)は653年(白雉4)遣唐使とともに渡唐,以後不明。大嶋は鎌足,金の後を継いで朝廷で中臣氏を代表する地位につき,681年(天武10)には帝紀と上古諸事の記定に,683年には諸国境界の確定に,686年の天武病没の際は誄(しのびごと)(弔辞)奉進にそれぞれ参加,持統朝でも中納言(《懐風藻》では大納言),また神祇官の長官として祭祀を主宰した。…

【大慶】より

…人口100万(1994)。旧名安達。もとトルベート(杜爾伯特)旗の遊牧地だった湿草原だが,1906年(光緒32)安達庁がおかれ,13年安達県をおき,60年肇州県の一部を合併,安達市となり,79年大慶市と改名(現在の安達市は大慶市の東南に隣接する県級市)。…

※「安達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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