閉伊街道(読み)へいかいどう

日本歴史地名大系 「閉伊街道」の解説

閉伊街道
へいかいどう

近世に盛岡―宮古間を結んだ盛岡藩の官道。盛岡城下鉈屋なたや町を出て東に進み、砂溜さだまり深沢ふかざわ山にら台―大倉おおくら峠を通り、簗川やながわ水沢みずさわ(現盛岡市)から簗川沿いに登って区界くざかい(標高七五一メートル)を越え、閉伊川沿いに田代たしろ村―川井かわい(現下閉伊郡川井村)茂市もいち(現同郡新里村)と下って宮古町に至る。盛岡側では宮古街道、宮古側では盛岡街道ともよばれた。現在の国道一〇六号にあたる。なお盛岡城下の出入口にあたるのは、城下南東の新穀しんこく町惣門から上小路うわこうじ町への道であったが、城下北東の現盛岡市下米内しもよないに字閉伊街道の地名があり、ルートの変化があったのであろう。元和元年(一六一五)盛岡藩二代藩主南部利直によって盛岡の外港として初めて宮古湊が開かれるに及び、両者のパイプ役として整備されたものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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