田代(読み)タシロ

デジタル大辞泉 「田代」の意味・読み・例文・類語

たしろ【田代】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「田代」姓の人物
田代三喜たしろさんき
田代松意たしろしょうい

た‐しろ【田代】

田地。田。水田。

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精選版 日本国語大辞典 「田代」の意味・読み・例文・類語

た‐しろ【田代】

  1. 〘 名詞 〙 田地。田となっている土地。また、田にするための土地。でんだい
    1. [初出の実例]「合墾田并田代捌拾町肆段参肆拾歩」(出典:多度神宮寺伽藍縁起資財帳(801)延暦二〇年一一月三日)
    2. 「たしろ見ゆる池の堤の嵩添へて湛ふる水や春の夜のため」(出典:山家集(12C後)下)

田代の補助注記

現在も山中の湿地について田代と呼んでいる例が少なくないから、まだ開田されていない湿地をいうか。


でん‐だい【田代】

  1. 〘 名詞 〙 中世、田地をいう。水田。→たしろ
    1. [初出の実例]「田代(デンダイ)育王山へ申しよせて」(出典:高野本平家(13C前)三)

たしろ【田代】

  1. 姓氏の一つ。

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日本歴史地名大系 「田代」の解説

田代
たしろ

[現在地名]中里村田代

かま川の上流にある。当地から釜川沿いに南下する道は、苗場なえば山北方の小松原こまつばらに至る。中深見なかふかみ(現津南町)の枝村。正保国絵図に高六石余とみえる。天和三年(一六八三)検地帳(中沢久保氏蔵)では田一町余・畑八町余、屋敷持は五人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「田代」の意味・わかりやすい解説

田代(鹿児島県)
たしろ

鹿児島県肝属郡(きもつきぐん)、大隅半島(おおすみはんとう)南部にあった旧町名(田代町(ちょう))。現在は錦江(きんこう)町の南部を占める。旧田代町は1961年(昭和36)町制施行。2005年(平成17)大根占(おおねじめ)町と合併し錦江町となった。旧町域の大部分肝属山地が占め、平地は麓(ふもと)川、雄(お)川に沿って細長く延びる。歴史は古く、縄文・弥生(やよい)時代の遺物が多く出土している。中世、禰寝院(ねじめいん)の一部で、近世は島津氏直轄の田代郷として麓(外城(とじょう))が置かれた。農林業が盛んで、かつては米作、サツマイモ・タバコ栽培が主であったが、現在はブロイラーや肉用牛などの畜産と茶の生産が盛んである。雄川上流の花瀬(はなぜ)付近は、川床に溶結凝灰岩の石畳が広がる景勝地で大隅南部自然公園の一部である。稲尾岳原生林は国の天然記念物に指定されている。

[平岡昭利]

『『田代町郷土誌』(1982・田代町)』


田代(秋田県)
たしろ

秋田県北部、北秋田郡にあった旧町名(田代町(まち))。現在は大館(おおだて)市の北西部を占める地域。青森県に接する。旧田代町は、1956年(昭和31)早口(はやぐち)町と山瀬村が合併して成立。町名は北部にある田代岳(1178メートル)による。2005年(平成17)比内町(ひないまち)とともに大館市に編入。田代岳の沢水を集めて、東部を岩瀬川、西部を早口川が南流し、南部で米代(よねしろ)川に注ぐ。流域に耕地が開けるが、地域の大部分は国有林を主とする山林原野である。米代川に沿ってJR奥羽本線と国道7号(羽州街道)が走り、以前は早口駅に接して大貯木場があった。田代岳周辺は県立自然公園で、湿原と高山植物で知られる。早口川上流に洪水調節、発電用の県営早口ダムがある。

[宮崎禮次郎]

『『田代町史』2巻(2002・田代町)』


田代(佐賀県)
たしろ

佐賀県東端、鳥栖市(とすし)北部を占める地区。旧田代町。JR鹿児島本線の一駅名。長崎自動車道鳥栖インターチェンジがある。近世には対馬藩(つしまはん)の飛び地田代領で、代官所のあった「田代町」は、また、長崎街道の一宿場をなし、田代宿(しゅく)ともよばれた。伝統産業の田代売薬(肥前売薬)で広く知られ、久光(ひさみつ)製薬などがある。国指定史跡の田代太田古墳がある。

[川崎 茂]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田代」の意味・わかりやすい解説

田代
たしろ

秋田県北東部,大館市北西部の旧町域。米代川支流の早口川,岩瀬川流域を占め,北は青森県に接する。 1956年早口町と山瀬村が合体して田代町が発足。 2005年大館市に編入。中心集落の早口鷹巣盆地大館盆地の頸部にあり,大部分が山地で占められる。主産業は農林業。秋田杉の美林地として有名で,製材地,木材の集散地である。タケノコを特産。北部に田代岳 (1178m) があり,山頂近くは高山植物が多く,一帯は田代岳県立自然公園に指定されている。

田代
たしろ

鹿児島県南部,錦江町南部の旧町域。大隅半島南部の肝属山地にある。 1961年町制。 2005年大根占町と合体し錦江町となる。中心地区の麓は江戸時代には薩摩藩集落があった地。国有林が多く,主産業は林業。ほかに畜産と,チャ (茶) ,タバコの栽培が行なわれる。雄川上流の花瀬付近は景勝地で,大隅南部県立自然公園に属する。また照葉樹原生林の豊かな稲尾岳は国の天然記念物に指定されている。

田代
たしろ

静岡県東部,函南町の東部にある集落。多賀火山西斜面に連なる断層盆地群の1つ田代盆地にある。盆地内は沖積地で,水田に利用される。 1930年の北伊豆地震によって,盆地西縁に丹那盆地と同じようにずれた断層が発生した。近くには十国峠があり,伊豆スカイラインなどが走る。

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百科事典マイペディア 「田代」の意味・わかりやすい解説

田代[町]【たしろ】

秋田県北部,北秋田郡の旧町。南端を米代(よねしろ)川が流れ,中心集落の早口には奥羽本線が通じる。大部分山地で林野面積が広く,早口川,岩瀬川流域に秋田杉の美林がある。農林業を基幹産業とし,早口には貯木場がある。1993年白神山地が世界遺産条約の自然遺産リストに登録された。2005年6月北秋田郡比内町と大館市へ編入。306.77km2。7961人(2003)。

田代[町]【たしろ】

鹿児島県肝属(きもつき)郡,大隅半島南部の旧町。肝属山地中にある農山村で,林業のほか,米,タバコ,野菜,茶を産し,肉牛飼育,養鶏など畜産も盛ん。2005年3月肝属郡大根占町と合併し町制,錦江町となる。77.81km2。3425人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「田代」の意味・わかりやすい解説

田代(秋田) (たしろ)


田代(鹿児島) (たしろ)

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