関の弥太っぺ(読み)せきのやたっぺ

改訂新版 世界大百科事典 「関の弥太っぺ」の意味・わかりやすい解説

関の弥太っぺ (せきのやたっぺ)

1929年(昭和4),総帥沢田正二郎が急死して危機にあった新国劇のために長谷川伸が書き下ろした戯曲で,8月,帝国劇場で初演され好評を博した。主人公の関の弥太郎は,のちに島田正吾当り役になった。長谷川伸に心酔していた講釈師服部伸(1880-1974。この名も長谷川から1字もらったもの)がゆずりうけて講談化し,十八番としたほか,浪曲化もされて天才少女浪曲家といわれた春日井おかめ(1957引退)が演じたりしたのも,股旅ものの典型である題材が,これらの芸にふさわしかったからである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android