阿吾郷(読み)あごごう

日本歴史地名大系 「阿吾郷」の解説

阿吾郷
あごごう

斐川町南部を東西に走る山脈の南麓、斐伊川との間の細長い山裾の阿宮あぐ地域にあった。中世杵築大社(出雲大社)領一二郷のうちの一つ。阿午・阿語・阿具とも記す。建久二年(一一九一)七月日の出雲国在庁官人等解(千家家文書)に「民部卿殿御任去永久二年六月一八日御遷宮、祖父国造兼宗申寄外遥勘・(阿)午郷」とみえるが、これは阿午郷の誤記であろう。「出雲国風土記」や「延喜式」神名帳にみえる阿具社・阿吾神社のあった古代の出雲郡河内こうち郷の一部が、平安末期に新たに開発されて阿吾郷が成立し、永久二年(一一一四)の遷宮の際出雲国衙から杵築大社に寄進されたのであろう。杵築大社領を書上げた康元元年(一二五六)一二月日の杵築大社領注進状(北島家文書)にはその名がみえないが、文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳には、大社領一二郷の一つとして記載されており、弘安八年(一二八五)一〇月一八日の沙弥某奉書(千家家文書)では、庄園領主(本家と推定される御局)から大田おおた郷とともに阿語郷を知行するよう、出雲国造に対し命が出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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