阿志岐山城跡(読み)あしきさんじょうあと

国指定史跡ガイド 「阿志岐山城跡」の解説

あしきさんじょうあと【阿志岐山城跡】


福岡県筑紫野市阿志岐にある古代の山城跡。大宰府の東南東約5kmにあたり、奈良時代に駅伝制にもとづく蘆城駅家(あしきのうまや)が置かれたとされる阿志岐の平野の東にある、標高339mの宮地(みやじ)岳の西麓に位置する。1999年(平成11)に発見されて以来、調査が続けられ、3基の水門のある1340mに及ぶ列石とその上部に築かれた土塁が確認された。平野部から見ると、中腹に列石がめぐり、山全体を防御施設としていたことがわかる。7世紀後半の北部九州では、663年(天智天皇2)の白村江の戦いで唐・新羅(しらぎ)連合軍に敗れたことを契機に、大宰府政庁を中心として翌664年(天智天皇3)には水城(みずき)が、翌々665年(天智天皇4)には大野城や基肄(きい)城が築かれ、それらと同様に阿志岐山城が築造された。当時の東アジアを中心とする対外関係を考えるうえで重要な遺跡として、2011年(平成23)、国の史跡に指定された。JR筑豊本線筑前山家駅から車で約16分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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