阿毘羅吽欠(読み)アビラウンケン

デジタル大辞泉 「阿毘羅吽欠」の意味・読み・例文・類語

あびらうんけん【××毘羅×欠】

阿毘羅吽欠蘇婆訶あびらうんけんそわか」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「阿毘羅吽欠」の意味・読み・例文・類語

あびらうんけん【阿毘羅吽欠・阿味羅欠】

  1. 〘 名詞 〙あびらうんけんそわか(阿毘羅吽欠裟婆呵)」の略。
    1. [初出の実例]「御本尊に向ひて阿毘羅吽欠(アビラウンケン)につなぬかれ」(出典:大観本謡曲・禅師曾我(室町末))
    2. [その他の文献]〔大日経‐三・悉地出現品〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿毘羅吽欠」の意味・わかりやすい解説

阿毘羅吽欠
あびらうんきゃん

真言密教における胎蔵界大日如来真言。「あびらうんけん」とも読む。サンスクリット語ア・ビ・ラ・フーム・カンavira hūm. kham.の音写。5字からなるので五字明(ごじみょう)、五字呪(ごじじゅ)ともいう。真言密教では大日如来を宇宙本体そのものとし、大日如来を胎蔵法では「あびらうんきゃん」、金剛界では「ばざらだどばん」の各真言をもって示す。このうち五字明は宇宙の本体を構成する五要素の象徴である地水火風空の五大を総合的にまとめたものであり、この真言を誦(じゅ)し続けることにより、宇宙の本体たる大日如来と一体となることができるとする。

[小野塚幾澄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿毘羅吽欠」の意味・わかりやすい解説

阿毘羅吽欠
あびらうんけん

仏教用語。サンスクリット語a vi ra hūṃ khaṃの音写。以上の5音綴は,それぞれ万有の構成要素である地,水,火,風,空を表わし,大日如来内面の悟りを表明するとされる。一般には,すべてのことを達成するための一種呪文として用いられる。

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