阿瀬波(読み)あせば

日本歴史地名大系 「阿瀬波」の解説

阿瀬波
あせば

[現在地名]西区井口三―四丁目付近

井口いのくち村の西、皆賀みなが(現佐伯郡五日市町)との境を流れる八幡やわた川河口の左岸一帯の地をいう。天文一〇年(一五四一)七月五日付の大内氏奉行人連署厳島社祭礼再興下知条々(厳島野坂文書)に「阿瀬波」、天正一九年(一五九一)一一月二八日付の厳島社祭田入目并灯明領祈念領高辻覚(厳島野坂文書)裏書に「あせば」、岡岷山が著した「都志見往来日記」(広島市立中央図書館蔵)の寛政九年(一七九七)八月二三日の記事に「汗馬」、「芸藩通志」に「阿勢婆」などと記される。

天文一〇年の前記下知条々に「三月十五日御戸開之節会、前々者神主倉下行歟、雖然既阿瀬波納銀廿五貫文此内興藤受用拾貫文加之為此足付収納之上者、向後無相違速令収納、当御祭礼可有執行之由、政所公文雑掌等ニ被仰付之」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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