陰武者(読み)かげむしゃ

精選版 日本国語大辞典 「陰武者」の意味・読み・例文・類語

かげ‐むしゃ【陰武者・影武者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 敵を欺いたり、いざという際に身代わりにしたりするために、主将などに似た人物に本人と同じ姿をさせた武者。にせ武者。
    1. [初出の実例]「さりながらこの佐々木。古への将門に習ひ。一人ならず二人三人の影武者あって、何れをこれと見分けがたし」(出典:浄瑠璃・近江源氏先陣館(1769)八)
  3. 裏面にあって人のために働き、または指図する者。黒幕
    1. [初出の実例]「お滋・三池といふ二人の影武者が附いてゐるので、隠居は益(ますます)我を張って」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下)
  4. 相場で、人に知られないように匿名で他人に売買を扱わせる有力な相場師をいう。〔取引所用語字彙(1917)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android