陶氏(読み)すえうじ

改訂新版 世界大百科事典 「陶氏」の意味・わかりやすい解説

陶氏 (すえうじ)

室町・戦国時代の周防豪族。大内氏の庶流。源平時代の大内介盛房の弟盛長が右田氏を興し,その曾孫弘賢が周防吉敷郡陶村を領して陶氏を称したのに始まる。その子弘政が南北朝時代に周防都濃郡富田保の地頭職を得て以降,富田に本拠を移し,国衙領(東大寺領)を横領して基盤を築いた。次の弘長は1401年(応永8)長門守護代となり,盛長,盛政に受け継がれた。周防守護代は32年(永享4)盛政の就任以来陶氏の世襲となり,大内家中に重きをなした。盛政の孫弘護は応仁の乱で大内政弘の留守を守って,大内教幸の乱を平定し,石見の吉見信頼の侵入を防いだ。また筑前守護代を兼ねて九州経略に尽くした。その子興房も大内義興・義隆の信望厚く,義興の上京に従い,帰国後も安芸,九州の平定に努めた。次の陶晴賢(隆房)は主君義隆を滅ぼして実権を握ったが,1555年(弘治1)毛利元就と厳島に戦って敗死し,一族も毛利氏の防長征服により滅びた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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