隈部館跡(読み)くまべやかたあと

日本歴史地名大系 「隈部館跡」の解説

隈部館跡
くまべやかたあと

[現在地名]菊鹿町上永野

高池たかいけ集落の北東、標高三四二メートルの山腹にあり、集落との比高は約一一五メートル。菊池氏の有力家臣隈部氏の居館跡。築城年代は不明。「事蹟通考」に「長野城ハ山鹿郡上長野村ノ山ニアリ、猿返城トモ云、親永カ築所嶮岨斗絶ノ要地ナリ、本丸館跡ノ礎今ニ残レリ」とあり、「国誌」には猿返さるがえし城跡について「此城跡大手桝形ノ跡、城ノ礎石并若殿ノ部屋ノ跡、庭石泉水ノ跡、花園ノ跡等于今歴然タリ、(中略)親永平日ノ所居ハ城外ニアリ館ト云」と記される。天正六年(一五七八)隈部氏が隈府わいふ(現菊池市)城主となるまで当館の北東の標高六八二・四メートルの山頂にあった猿返城を詰の城とし、当館を日常の居館としていたと思われる。北に鵠巣こうのす城、南に日渡ひわたし城、西に山内やまうち城、猿返城の東に米山こめやま城を配していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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