米山(読み)ヨネヤマ

デジタル大辞泉 「米山」の意味・読み・例文・類語

よね‐やま【米山】

新潟県柏崎市上越市との境にある山。標高993メートル。山頂に雨乞い祈願の米山薬師がある。西廻り航路の目印とされた。

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精選版 日本国語大辞典 「米山」の意味・読み・例文・類語

よね‐やま【米山】

  1. [ 1 ] 新潟県南西部、柏崎市と上越市との境にある山。日本海の近くにそびえるので、航路の目標とされる。山頂に米山薬師がある。標高九九三メートル。佐渡彌彦米山国定公園の一部。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙よねやまじんく(米山甚句)」の略。
    1. [初出の実例]「ト米山(ヨネヤマ)になり、権兵衛〈略〉花道へはひる」(出典:歌舞伎・極附幡随長兵衛(1881)序幕)

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日本歴史地名大系 「米山」の解説

米山
よねやま

東頸城丘陵の北部、柏崎市と柿崎町との境界にある標高九九二・六メートルの孤立峰。日本海側は急崖をなし、南西に高田平野を見下ろして遠く頸城の山々を見はるかす。北東は佐渡・弥彦やひこ方面まで見渡すことができる。橘南谿の「東遊記」に越後を上越後と下越後に分ける山として紹介される。また古くより越後の陸海交通のうえで重要な位置を占め、日本海を航海する者には航路標識となり、北陸を旅する者は必ずこの山麓を巡るほかなかった。


米山
よねやま

[現在地名]両津市下久知

下久知しもくぢの後方、河崎かわさきとの山境にある。標高五四三・四メートル。下久知を流れる久知川・河崎川の水源地。米山から和倉わくらに至る丘陵部は新生代第三紀の中新世地層で、通称ダマはらからは貝・魚・木の葉の化石が出土する。喬木におおわれた山頂に空海作と伝える薬師如来を祀る。


米山
こめやま

杷木町の中央北端、甘木市との境界に位置する山。標高は五九〇・九メートル。新第三紀の安山岩によって形成され、南側が急ではあるが全体としてはなだらかである。樹木は杉や檜が主で、山頂近くまで林道が通っている。南側中腹辺りにマダケの一種キンメイチクがある。久喜宮くぐみやのキンメイチクとして国の天然記念物に指定されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「米山」の意味・わかりやすい解説

米山 (よねやま)

新潟県中南部,柏崎市と上越市との境にある山。標高993m。東頸城丘陵の北西端にあたる孤立峰で,かつてはその美しい山容から開析の進んだ火山と考えられていたが,近年,新第三系の凝灰角レキ岩から成ることが明らかになった。日本海側は急崖をなして落ち込み,海岸では福浦八景の景勝を形成するが,かつてはここを通る北陸街道の難所(米山三里)であった。山頂の米山薬師は日本三薬師の一つといわれ,雨乞いに霊験ありといわれる。《三階節》や《米山甚句》といった民謡にも歌い込まれ,地元民のあつい信仰を集めている。米山福浦八景県立自然公園に指定されている。
執筆者:

米山は陸海の交通の要所に位置しており,《東遊記》には米山をもって越後国を上越後,下越後とに分けると記されている。加賀白山の開祖泰澄(たいちよう)と結びついた米山の飛鉢伝承も,この山が海上交通の目標とされてきたことを示すものであろう。米山は薬師如来をまつる山として有名であるが,平安時代初期の《大同類聚方》には〈恵奈山薬,越後国三志摩雄之家伝方也,元者少彦名神方也〉とあり,薬が米山の薬師信仰の基礎にあったことを物語るとともに,米山がかつては恵奈(えな)山と称されていたことがわかる。山上山下の薬師堂の別当をつとめる真言宗米山寺密蔵院の住持が室町幕府によって任命されていたことや,米山寺が十刹(じつせつ)に列したことでも明らかなように,中世にはかなりの信仰を集めていた。現在も卯月八日に薬師をまつることが東日本で広く認められるが,米山の山麓はもとより,周辺のかなり広い地域にわたって4月8日を〈米山の命日〉〈薬師様のお祭〉などと称し,米山薬師をまつることが行われている。
執筆者:


米山(旧町) (よねやま)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「米山」の意味・わかりやすい解説

米山(山)
よねやま

新潟県柏崎市(かしわざきし)と上越市(じょうえつし)の境にある信仰の霊山。標高993メートル。かつて日本海航路の目印となったコニーデ型の美しい火山型山容を呈しているが、海底火山の隆起したもので火山ではない。頂上には米山薬師が祀(まつ)られ、有名な米山甚句(じんく)や三階節(さんがいぶし)にも歌われている地元民の信仰の山で、佐渡弥彦米山国定公園(さどやひこよねやまこくていこうえん)に属している。山体は第三紀中新世の寺泊(てらどまり)・椎谷(しいや)層を抜いた角閃石(かくせんせき)安山岩や複輝石(ふくきせき)安山岩からなり、日本海側は海岸段丘崖(がい)が海に突入して、福浦(ふくうら)八景の景勝地を形成している。近世の北国(ほっこく)街道はこの段丘崖を登り下りする難所で、「米山三里」の峠越えは上・中越の大きな障壁をなしていた。

 現在は、国道8号や北陸自動車道が田切(たぎり)峡谷を大袴橋(こきょう)でまたぎ、JR信越本線は海岸をトンネルで通過している。

[山崎久雄]


米山(旧町名)
よねやま

宮城県北東部、登米郡(とめぐん)にあった旧町名(米山町(ちょう))。現在は登米市の南部を占める地域。旧米山町は、1957年(昭和32)米山、吉田の2村が合併して町制施行。2005年(平成17)迫(はさま)、登米(とよま)、東和(とうわ)、中田(なかだ)、豊里(とよさと)、石越(いしこし)、南方(みなみかた)、津山(つやま)の8町と合併して市制施行し、登米市となった。国道346号が通じる。迫川中流の低地帯にあり、広大な谷地や沼地が多かったが、仙台藩政時代の新田開発で水田地帯となった。西部の蕪栗沼(かぶくりぬま)周辺低地も1931年(昭和6)の北上川分水工事以後、水田化された。迫川の水害を防ぐため新迫川が南北を貫通し、旧迫川の土地改良事業も行われた。稲作のほか、養豚、酪農が行われ、近年では園芸作物を取り入れた複合経営が増加している。

[長谷川典夫]

『『米山町史』(1974・米山町)』

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百科事典マイペディア 「米山」の意味・わかりやすい解説

米山[町]【よねやま】

宮城県北部,登米(とめ)郡の旧町。迫(はさま)川下流の低湿地であったが,開墾されて県下有数の米産地となった。子豚の生産についても,県内の主産地となっている。2005年4月登米郡町,登米町,東和町,中田町,豊里町,石越町,南方町,本吉郡津山町と合併し市制,登米市となる。51.19km2。1万1218人(2003)。

米山【よねやま】

新潟県中部,柏崎市と柿崎町(2市町とも現・上越市)の境にある山。北・西麓は日本海に臨む。標高993m。成層火山の山容を呈し,安山岩などが堆積するが,火山ではないとする説もある。山頂に雨乞いに霊験があるという米山薬師があり,江戸時代の《東遊記》には上越後と下越後に分ける山として紹介される。民謡《三階節》《米山甚句》で知られる。北麓は米山三里の景勝地。登山口は信越本線米山駅など。佐渡弥彦米山国定公園に属する。
→関連項目柿崎[町]柏崎[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「米山」の意味・わかりやすい解説

米山
よねやま

宮城県北東部,登米市南部の旧町域。迫川下流域にある。 1957年米山村,吉田村の2村が合体して町制。 2005年町,登米町,東和町,中田町,豊里町,石越町,南方町,津山町の8町と合体して登米市となった。米作が主産業で,副業として養豚,酪農,牧畜が行なわれる。

米山
よねやま

新潟県南西部,日本海岸にそびえる山。標高 993m。山体は角閃石安山岩,複輝石安山岩からなり,日本海側に断崖をつくっている。山頂には米山薬師がまつられ,佐渡島のほか,妙高山を中心とした信越国境の山々が望見できる。佐渡弥彦米山国定公園米山福浦八景県立自然公園に属する。

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事典 日本の地域遺産 「米山」の解説

米山

(新潟県上越市柿崎区荻谷地内(市道川田荻ノ谷線沿い)〔代表的な視点場〕)
景観資産〔上越市〕」指定の地域遺産。
712(和銅5)年泰澄大師により開山された標高993mの山。優雅な山容から「越後富士」と呼ばれる

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デジタル大辞泉プラス 「米山」の解説

米山

宮城県登米市にある道の駅。国道346号に沿う。

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世界大百科事典(旧版)内の米山の言及

【柿崎[町]】より

…人口1万2522(1995)。高田平野北部にあり,北東部は米山を中心とする山地からなり,日本海沿いに頸城砂丘がある。中心の柿崎は近世に北陸街道の宿場町として栄え,1897年に信越本線が通じた。…

※「米山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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