デジタル大辞泉
「泉水」の意味・読み・例文・類語
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せん‐すい【泉水・前水】
- 〘 名詞 〙 庭さきにつくられた池。また、いずみ。
- [初出の実例]「幽奇巖嶂吐二泉水一、老大杉松離二旧藤一」(出典:文華秀麗集(818)中・遇梵釈寺〈嵯峨天皇〉)
- 「ふるう作りなせる前水木だち、よしあるさまの所なり」(出典:平家物語(13C前)灌頂)
- [その他の文献]〔詩経‐邶風・泉水〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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泉水
せんすい
fountain
造園用語。自然の泉を利用するか,人工的に水を引いて,庭園や広場などに噴水,流水,落水,池などを設けたもの。前 3000年頃バビロニア時代にはすでに泉は神聖視され,列柱廊と小神祠で飾られることもあった。古代ローマではポンペイにみられるように,住宅の中庭に実用を兼ねて設けられ,公共の場には石造の水槽が備えられた。ローマ時代にはニンファエウムなど泉と結びついた壮麗な建築装飾が現れた。初期キリスト教時代にはバシリカのアトリウムに洗身用の泉水が設けられ,そののちも修道院の中庭には井戸や雨水溜,噴水などが設けられた。中世ヨーロッパの都市の広場では,困難な水道工事が完成した記念に中央広場などに大噴水を造ったが,モニュメンタルな群像彫刻などをあしらった装飾的なものが多く造られはじめたのはルネサンスおよびバロックの時代になってからである。マニエリスムからバロックにかけての庭園では水が重要なテーマとなり,さまざまなグロッタやカスケードが水との組合せで造られた。また 18世紀のイギリスにはじまる風景式庭園では,自然なままの流水を主題とする作風が確立した。またイスラム世界はオアシスに天上の楽園の姿を見出し,それを地上に写したものとしての独特な庭園文化を発達させた。その中心は豊かな湧泉であり,古代ペルシア文化から受継いだ水路による構成とともに,イスラム庭園文化の最も重要な要素となっている。日本では古代から中国や朝鮮の庭の影響を受けて,池をつくり,遣水 (やりみず) を通す伝統があり,平安時代までに日本独自の様式が成立した。現存する最古の庭園書である平安末期の『作庭記』にも,池や遣水についての記述がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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普及版 字通
「泉水」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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泉水
せんすい
庭園につくられた池。「前水」とも書き、池泉(ちせん)ともいう。自然の模倣を第一とした庭園にとって、池や水の流れは重要な要素を占めている。
[編集部]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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