雇用法(読み)こようほう(その他表記)Employment Act of 1946

改訂新版 世界大百科事典 「雇用法」の意味・わかりやすい解説

雇用法 (こようほう)
Employment Act of 1946

アメリカの法律。第2次大戦終了後,不況失業が再来するのではないかという恐れが高まり,その結果1946年に制定された。雇用法には,最大限の雇用と生産と購買力促進が連邦政府の継続的な政策であり責任であることが明確に宣言されており,連邦政府による戦後の経済運営に法的根拠を提供した。同法によって大統領府に3名の専門家からなる経済諮問委員会Council of Economic Advisersが設けられ,議会に上下両院合同経済委員会が設置された。どちらも政策形成上の権限はもたないが,前者大統領や議会の経済政策立案に直接専門的な勧告を行うことができる。大統領に義務づけられた年次経済報告は前者が準備し,後者がこれを審議して,議会に全般的な経済政策上の勧告を行うことになっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雇用法の言及

【アメリカ合衆国】より


[新しい経済学の実験]
 第2次世界大戦を経過し,戦争被害を免れたアメリカは,一転して文字通り世界経済に君臨する絶対的優位の立場にたった。トルーマン大統領時代には,〈1946年雇用法〉が制定され,政府の総需要管理政策によって完全雇用の維持と経済成長に努める一方,対外的には国際通貨基金(IMF)を中心とする国際金融機構,および,自由,無差別な貿易拡大を求めるGATT(ガツト)(関税と貿易に関する一般協定)をてことして,世界経済の復興と発展を目指す体制をつくりあげた。とくに,1961年以降のケネディ,ジョンソン両政権時代には,ケインズ経済学を基礎にした〈新しい経済学〉を実践するために積極的な経済政策を採用した。…

※「雇用法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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