改訂新版 世界大百科事典 「雇用法」の意味・わかりやすい解説
雇用法 (こようほう)
Employment Act of 1946
アメリカの法律。第2次大戦終了後,不況と失業が再来するのではないかという恐れが高まり,その結果1946年に制定された。雇用法には,最大限の雇用と生産と購買力の促進が連邦政府の継続的な政策であり責任であることが明確に宣言されており,連邦政府による戦後の経済運営に法的根拠を提供した。同法によって大統領府に3名の専門家からなる経済諮問委員会Council of Economic Advisersが設けられ,議会に上下両院合同経済委員会が設置された。どちらも政策形成上の権限はもたないが,前者は大統領や議会の経済政策立案に直接専門的な勧告を行うことができる。大統領に義務づけられた年次経済報告は前者が準備し,後者がこれを審議して,議会に全般的な経済政策上の勧告を行うことになっている。
執筆者:榊原 胖夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報