法則の辞典 「離液順列」の解説 離液順列【lyotropic series】 表面不活性の溶液の表面張力は,溶質の濃度に依存して直線的にわずかながら増大する.溶媒の表面張力 σS と溶液の表面張力 σL との間にはおおよそ次のような関係が成り立つ.ただし c は溶質の濃度,m は比例定数である. σL=σS(1+mc) m の大きさは,陽イオンと陰イオンそれぞれによって異なる.陰イオンを共通にした場合,Cs+>Rb+>Li+>Na+>K+,逆に陽イオンを共通にした場合では,NCS->I->Br->Cl->(1/2)SO42- のような順になる.このイオンの順をいう. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「離液順列」の意味・わかりやすい解説 離液順列りえきじゅんれつlyotropic series ある物性を濃度を変えて測定すると、濃度に対して直線関係が成り立つことが多い。この測定を一定の陽イオンの種々の塩に対して行うと、塩には系列があることがわかる。これを離液順列という。たとえば、無機塩の水溶液の表面張力についてみると、同じ陽イオンに対して陰イオンの系列の表面張力がCl>Br>NO3の順になっている。また同じ陰イオンをとると、陽イオンの順列はLi>Na>Kである。鶏卵白のゾル化においても同じ傾向がある。[下沢 隆] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例