難陳(読み)ナンチン

デジタル大辞泉 「難陳」の意味・読み・例文・類語

なん‐ちん【難陳】

非難したり弁解したり、互いに議論をたたかわせること。
「―あって、判者これを聞く」〈三冊子・白双紙〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「難陳」の意味・読み・例文・類語

なん‐ちん【難陳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 互いに言い争って意見を述べること。
    1. [初出の実例]「次第講歌、彼是相互難陳、範兼殊為張本、定勝負、間々雖僻不口入」(出典:袋草紙(1157‐59頃)上)
  3. 改元の時、公卿学者などが集まって年号吉凶典拠などを論議し、その年号の字をきめること。
    1. [初出の実例]「中古より菅家、江家等の紀伝道の輩、年号の字を勘進す〈略〉数多勘進する中を、陣の座にて難陳の問答ありて議定せるとなん承る」(出典:改元物語(江戸前))
  4. なんちんうたあわせ(難陳歌合)」の略。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の難陳の言及

【元号】より

…公卿たちは年号の案の一つ一つについて審議し,先例や文字の吉凶などを論難し,陳弁してその優劣を論争する。これを難陳(なんちん)という。こうして審議を尽くしてその結果を奏上し,勅裁を経て年号が決定され,詔書によって改元が公布される。…

※「難陳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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