雨滝城跡(読み)あめたきじようあと

日本歴史地名大系 「雨滝城跡」の解説

雨滝城跡
あめたきじようあと

[現在地名]大川町富田中など

大川・津田つだ寒川さんがわ三町にまたがる雨滝山(二五三・二メートル)の山頂部と、これから南、西および北東に延びた三つの尾根上に立地する。山頂近くは急峻な斜面をなし、山裾に幾つもの谷筋を刻む。北東は津田湾に面し、小豆島、引田ひけた(現引田町)志度しど(現志度町)まで展望がひらけ、南西部一帯は長尾ながお街道が東西に通じ穀倉地帯が広がっている。自然の要害であり寒川郡の要の地である。山頂平坦地に本丸跡があり、西寄りに二列の礎石群がある。西と北東に延びる尾根にはそれぞれ五段、南の尾根には二段の郭があり、南二郭以外にはすべて礎石群があって建物の存在を裏付けている。西五郭の真下に土塁状遺構があり、その内側から各郭を結ぶ連絡用通路(犬走り)が設けられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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