日本歴史地名大系 「大川郡」の解説 大川郡おおかわぐん 面積:三一一・四二平方キロ引田(ひけた)町・白鳥(しろとり)町・大内(おおち)町・津田(つだ)町・大川(おおかわ)町・寒川(さんがわ)町・志度(しど)町・長尾(ながお)町明治三二年(一八九九)大内郡と寒川郡が合併して成立した郡。県の東端に位置し、北は播磨灘に面し、西は木田(きた)郡牟礼(むれ)町・三木(みき)町、東は徳島県鳴門(なると)市・板野(いたの)郡板野町、南は板野郡上板(かみいた)町・土成(どなり)町・阿波(あわ)郡市場(いちば)町・美馬(みま)郡脇(わき)町に接する。海岸に沿って東から引田・白鳥・大内・津田・志度の五町が続き、南の低い山地によって隔てられた内陸部に大川・寒川・長尾の三町がある。讃岐平野の東部は、大川平野とよばれているが、標高二〇〇―三〇〇メートルの丘陵によっていくつもの小平野に分散しているのが特色である。川はいずれも北流し瀬戸内海に注ぐ。おもな河川は東から馬宿(うまやど)川・湊(みなと)川・与田(よだ)川・津田川・鴨部(かべ)川で、いずれも二級河川。南部は讃岐山脈の矢筈(やはず)山(七八七・七メートル)、女体(によたい)山(七七三・八メートル)、檀特(だんとく)山(六三〇・八メートル)。笠(かさ)ヶ峰(五五九・七メートル)などが連なる。海岸部には鹿浦(かぶら)(蕪)越(ごし)・鵜部(うのべ)岬・馬(ば)ガ鼻・大串(おおぐし)岬・小串(こぐし)岬の岬角が突き出し、その間に白鳥松原・津田松原など青松白砂の海浜が広がる。北部を東西にJR高徳本線が通り、これに並行して国道一一号が走る。中央部に県道高松―長尾―大内線(旧長尾街道)とバイパス(讃岐新道)が東西に通ずる。〔原始―近世〕檀特山・笠ヶ峰などから北に延びた尾根や微高地に、寒川町の森広(もりひろ)遺跡を中心とした弥生遺跡群が散在し、津田町の北(きた)山(二九六・六メートル)には高地性集落跡がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by