日本歴史地名大系 「雲林院村」の解説 雲林院村うじいむら 三重県:安芸郡芸濃町雲林院村[現在地名]芸濃町雲林院忍田(おしだ)村の南、東流する安濃(あのう)川の右岸にあり忍田村と相対している。当村は市場(いちば)・北垣内(きたがいと)・中瀬古(なかぜこ)・下川(おりかわ)・新屋敷(しんやしき)・南山(みなみやま)・勢野(せいの)の集落からなっている。当村鎮座の溝淵(こうえん)大明神の寛元二年(一二四四)の造営棟札(美濃夜神社蔵)にはすでに「雲林院村地頭殿 沙弥新□□」とあり、また神名も溝淵大明神と明記している。その後文永七年(一二七〇)の棟札(現存せず、寛政一〇年書写本による)にも「二村 雲林院村地頭 馬一疋」とある。「神鳳鈔」には「雲林院六丁二反半」とある。旧村名を「美濃夜(みのや)」とよんだとするのは「五鈴遺響」以後の付会にすぎない。溝淵大明神所蔵の文化一二年(一八一五)の棟札に「伊勢国安濃郡武部荘雲林院村、美濃夜川乃上尓鎮座云々」とあり、江戸末期には雲林院周辺を建部(たけべ)郷とする考え方が一部にあった。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by