雲谷庵跡(読み)うんこくあんあと

日本歴史地名大系 「雲谷庵跡」の解説

雲谷庵跡
うんこくあんあと

[現在地名]山口市大字上宇野令 天花

七ッ尾ななつお山の南麓にある。室町時代の画僧雪舟等楊の棲居の地。雪舟は備中に生れ、長じて京都相国しようこく(現京都市上京区)に入り、画を同寺の越渓周文に学んだ。寛正(一四六〇―六六)の頃、大内氏を頼って山口に下り、天花てんげの雲谷庵に住した。寛正五年東福とうふく(現京都市東山区)の僧之恵鳳が山口に下向した折、雪舟に旧を叙して「寄揚知客序」と題する詩を寄せている(竹居西集)。またこれより先、大内家の雑掌松雪軒全果が雪舟のために「雲谷記」を作っているが、恵鳳は雪舟の嘱に応じて「晦庵序」を作った。その末文に「以晦庵称退而処雲谷幽、今雲谷如藺朱子」とあり、宋の朱熹が廬峰の雲谷に住んで雲谷と号し、その居を晦庵と称したことを述べ、この雲谷は朱子を慕って号を踏襲したとしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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