山水長巻(読み)サンスイチョウカン

デジタル大辞泉 「山水長巻」の意味・読み・例文・類語

さんすいちょうかん〔サンスイチヤウクワン〕【山水長巻】

雪舟筆「四季山水図」の通称文明18年(1486)作の長さ15メートルを超す巻物で、雪舟の最高傑作とされる。

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精選版 日本国語大辞典 「山水長巻」の意味・読み・例文・類語

さんすいちょうかんサンスイチャウクヮン【山水長巻】

  1. 雪舟筆「四季山水図」の通称。雪舟の最大傑作で、縦四〇・〇センチメートル、全長一五八七・五センチメートルの淡彩をまじえた山水画巻。巻末落款によれば文明一八年(一四八六)の成立という。国宝。山口県防府(ほうふ)市の毛利博物館蔵。

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百科事典マイペディア 「山水長巻」の意味・わかりやすい解説

山水長巻【さんすいちょうかん】

雪舟筆の四季山水図巻。紙本墨画淡彩で,縦約40cm,横1568cm。1486年雪舟67歳の作。中国四季山水人物内容とし,筆法南宋夏珪(かけい)にならったものであろうが,雪舟独自の筆意満ち,室町水墨山水画の最高傑作の一つ。→水墨画
→関連項目雲谷等顔

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「山水長巻」の解説

山水長巻
さんすいちょうかん

室町後期の画僧雪舟の代表作の一つ。1486年(文明18)作。長大な画面に山水の四季の変化と人々の生活を描く。いわゆる四季山水図巻だが,この作品に限って古くから山水長巻とよばれる。作風は基本的に中国宋代の画家夏珪(かけい)にならうが,随所に雪舟独自の筆致と空間構成もみられる。類例の少ない室町水墨画山水図巻のなかでも,とくに重要な作品。紙本墨画淡彩。縦40.0cm,横1568.0cm。毛利博物館蔵。国宝。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山水長巻」の意味・わかりやすい解説

山水長巻
さんすいちょうかん

室町時代の画家雪舟晩年の代表的山水図。『四季山水図』とも称する。文明 18 (1486) 年 67歳の作。国宝。毛利博物館蔵。幅 40cm,全長 16mに及ぶ長大な絵巻で,水墨に淡彩を交えて四季の山水の推移とそこに暮す人々の姿を描く。

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防府市歴史用語集 「山水長巻」の解説

山水長巻

 室町時代の画層・雪舟[せっしゅう]の書いた代表的な絵です。正式には「四季山水図[しきさんすいず]」と言います。人物や建物は中国風ですが、風景は日本風になっています。現在は毛利博物館に保管されており、国宝に指定されています。

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旺文社日本史事典 三訂版 「山水長巻」の解説

山水長巻
さんすいちょうかん

室町後期,画僧雪舟の描いた山水画
『四季山水図』ともいう。1486年作。1巻。毛利家蔵。国宝。縦40㎝,横約15mの長大な画面に中国の四季の変化を描いたもの。日本水墨画中の傑作として有名。

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世界大百科事典(旧版)内の山水長巻の言及

【雪舟】より

…遅くとも86年までには山口へ戻り,大内政弘によって再興された雲谷庵に入り,ここに再び天開図画楼を営んだ。《山水長巻》(毛利報公会)は86年,天開図画楼で描かれ,大内氏に献じたものと推定される。これは67歳の雪舟が長い宋元画研鑽と中国・日本の山水自然への渉猟・観照を集約したもので,独自の画境を展開している。…

※「山水長巻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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