雷金(読み)らいきん(その他表記)fulminating gold

改訂新版 世界大百科事典 「雷金」の意味・わかりやすい解説

雷金 (らいきん)
fulminating gold

きわめて爆発性の高い金の化合物。いくつかの化学種が考えられているが,いずれもAu-N結合をもつと思われる。1886年に酸化金(Ⅰ)とアンモニアとの反応で得られたものが最初で,Au3N・NH3組成と考えられた。また塩化金酸HAuCl4アンモニア水との反応で得られた灰色粉末はAu2O3・3NH3とHNAuCl・NH3混合物と考えられた。その他Au(OH3・3NH3,Au2O3・2NH3などがあるが,組成,構造ともに明確ではない。弱く加熱したり,摩擦,衝撃によっても爆発し,きわめて危険な物質である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 邦彦

日本大百科全書(ニッポニカ) 「雷金」の意味・わかりやすい解説

雷金
らいきん
fulminating gold

爆発性の含窒素金化合物で、金(Ⅲ)化合物の水溶液にアンモニア系の化合物を反応させたときに生じ、古くから、加熱、打撃などにより激しく爆発することでよく知られている。たとえば、テトラアンミン金(Ⅲ)塩[Au(NH3)4]X3を水酸化アルカリで分解するか、塩化金(Ⅲ)酸H[AuCl4]にアンモニア水を加えるか、酸化金(Ⅲ)を長時間アンモニアあるいは炭酸アンモニウム水溶液で処理するときに得られる。組成ははっきりしていない。

[中原勝儼]

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