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塩化金 えんかきんgold chloride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

塩化金
えんかきん
gold chloride

(1) 塩化金 (I) ,一塩化金  AuCl 。三塩化金の熱分解によって製する。黄色の粉末。比重 7.4。 289℃で分解する。水に不溶,塩酸または塩化アルカリ溶液に溶け (III) 錯体に変わる。 (2) 塩化金 (III) ,三塩化金  AuCl3 。実験室的には金と塩化ヨウ素の反応で得られる。暗橙赤色の結晶で,潮解性が強い。比重 3.9,180℃ (1気圧) で昇華する。融点 288℃ (2気圧,塩素中) 。 254℃で分解。水,アルコール,エーテル可溶。メッキ,写真,金粉の製造などに使われる。

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デジタル大辞泉の解説

えんか‐きん〔エンクワ‐〕【塩化金】

塩化金(Ⅰ)。黄白色の結晶。化学式AuCl 塩化第一金。
塩化金(Ⅱ)。赤色の針状結晶。化学式AuCl3 塩化第二金。
塩化金酸」の略。

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世界大百科事典 第2版の解説

えんかきん【塩化金 gold chloride】

塩化金(I),塩化金(III)など,いくつかの種類がある。
[塩化金(I)]
 化学式AuCl。黄色粉末,比重7.4(25℃)。塩化金(III)Au2Cl6を160℃に加熱すると得られる。結晶構造は斜方晶系。直線状-Cl-Au-Cl-結合をなす。
[塩化金(III)]
 化学式Au2Cl6。金に塩素ガスを反応させるか,塩化金酸(I)を120℃に加熱して得る。赤色結晶であるが,結晶中でも気相においてもほとんど平面構造の二量体として存在している(図参照)。

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大辞林 第三版の解説

えんかきん【塩化金】

金と塩素の化合物。AuCl(黄白色結晶)と AuCl3(赤褐色針状結晶)がある。
テトラクロロ金酸の俗称。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

塩化金
えんかきん
gold chloride

1価および3価の化合物が知られている。二塩化金AuCl2は2価の金を含むものではなく、1価と3価が共存する化合物AuIAuIIICl4であることが知られている。そのほかクロロ金()酸、通称塩化金酸HAuCl4を塩化金ということもある。
(1)塩化金()(塩化第一金) 塩化金()を乾燥塩化水素気流中で分解させて得られる非潮解性の淡黄色結晶。熱すると約170℃で金と塩素に分解する。水、エタノール(エチルアルコール)には溶けずに分解する。塩酸に溶ける。また塩化アルカリの水溶液にはジクロロ金()酸塩となって溶けるが、しだいに分解する。
(2)塩化金()(塩化第二金) 微粉状の金を加熱し、塩素を通じて得られる暗赤色針状晶。二水和物AuCl32H2O=339.3もあり、これは潮解性のある橙(だいだい)色結晶である。無水和物は塩素気流中で熱すると200℃で昇華する。水によく溶け(100グラムの水に68グラム)、エタノールにもよく溶ける。水溶液は赤褐色で、酸性を示す。めっき、写真、金粉の製造などに用いられる。[中原勝儼]

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世界大百科事典内の塩化金の言及

【塩化金酸】より

…正しい化学名はテトラクロロ金酸,俗に塩化金ともいう。4水和物として存在し,化学式[H3O][AuCl4]・3H2O。…

※「塩化金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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