電力取引(読み)でんりょくとりひき(その他表記)power exchange

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電力取引」の意味・わかりやすい解説

電力取引
でんりょくとりひき
power exchange

発電事業者と配電会社が取引所 Power Pool Systemで電力を売買する仕組み。電力市場自由化モデルの一つ。市場原理の導入で競争が生まれ,電気料金を引き下げるねらいがある。日本では 1995年の電気事業法改正で,電力会社以外でも発電事業者として参入する道が開けた。発電事業者が電力を取引所に卸し,配電線をもつ大手電力会社がそれを購入して顧客に売却する。大手電力会社側にも,ピーク時に備え大規模な発電施設を維持する必要がなくなるため,発電所投資を抑制できる利点がある。ただ,2001年にアメリカのカリフォルニア州で発生した電力危機の際には,電力取引所の存在により発電所増設が遅れたのが逼迫一因と指摘された。

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