電力自由化(読み)デンリョクジユウカ

デジタル大辞泉 「電力自由化」の意味・読み・例文・類語

でんりょく‐じゆうか〔‐ジイウクワ〕【電力自由化】

政府認可を受けた電力会社が独占していた電気事業への参入規制を緩和すること。→地域独占電力小売全面自由化

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共同通信ニュース用語解説 「電力自由化」の解説

電力自由化

政府は戦後経済成長に必要な電力の安定供給のため、大手電力10社にそれぞれの営業地域で、事業を独占的に展開することを認めてきた。電気料金高止まりなど弊害も強くなり、政府は1990年代後半から市場競争を促す方針転換発電や企業向け小売り事業への参入規制を段階的に緩和してきた。家庭向け市場が開放されることで、小売り事業の自由化は完了する。送配電網は大手電力が引き続き独占する。

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知恵蔵 「電力自由化」の解説

電力自由化

60年以上続いてきた電力大手10社の地域独占を廃止し、電力の需給全面自由化する動き。2016年4月から、一般家庭や商店を対象とする低圧電力の販売も自由化される。これまで、00年3月に大規模工場を対象とする特別高圧の電力販売が自由化され、04年には中規模工場向け高圧電力の販売にも拡大された。今後は、事業者競争の公平性・透明性を高めるため、20年4月には発送電も既存の電力大手から分離される予定。
16年4月から実施される一般家庭向け電力市場は7~8兆円規模で、通信、ガス石油、コンビニ、鉄道会社などの大手企業が参入を表明している。ただし、企業向けを含む約200社(16年2月末時点)の新規事業者は需要量の4割近くを占める首都圏や関西圏の顧客獲得に力を注いでおり、既存の電力大手も地域を越えた大都市圏に営業攻勢をかけている。
こうした自由化加速のきっかけは、11年に起こった福島第一原発事故である。電力事業に対する国民関心の高まりを受け、政府は13年に「電力システムに関する改革方針」を閣議決定した。広域系統運用の拡大、電気の小売業への参入の自由化、送配電部門の分離と電気の小売料金の全面自由化の3段階である。ただし、16年4月からの一般家庭向け自由化に向けては、新規参入の大半が電気を大量に使うほどメリットがある料金プランを発表しており、政府が進めている温暖化対策(節電)に逆行するという恐れが指摘されている。

(大迫秀樹 フリー編集者/2016年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「電力自由化」の解説

電力自由化

電力小売を自由化する規制緩和のこと。従来、電力の小売業(企業、家庭への電力供給)は電力の安定供給の確保を理由に東京電力、関西電力などの10電力会社に独占されていた。しかし、アメリカの規制緩和にならい、2000年から段階的に一般の企業にも解禁されることになった。すでに00年に2000kw以上の電力小売(産業、業務用の大口電力)が解禁、05年には商用全般の電力小売が解禁され、07年には一般家庭も含めて全面的に解禁される予定である。実際に電力小売業に参加している企業としては、三菱商事の子会社であるダイヤモンドパワー、新日鉄などがある。

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