電子ジャーナル/電子書籍(読み)でんしジャーナル/でんししょせき

大学事典 の解説

電子ジャーナル/電子書籍
でんしジャーナル/でんししょせき

1990年代から学術雑誌分野における電子ジャーナル化が普及し,オランダ本社をもつエルゼビア(オランダ)が1995年にエルゼビア電子購読制度を開始した。同社が発行する2500誌以上の学術分野の電子ジャーナルは,サイエンスダイレクトというサービスに引き継がれている(2012年)。同社に続いてほかの学術系出版社も電子ジャーナル事業を急速に拡大したが,一方で学術雑誌価格の高騰化を引き起こした。サイエンスダイレクトには,2007年から電子書籍も提供されるようになり,2012年現在1万タイトル以上の学術書籍が搭載されている。ただし,電子書籍のタイプによりライセンス方法が異なる。和書は当初『日本大百科全書』などのように参考図書の横断検索サービスが中心だったが,NetLibraryが2007年から和書の学術系電子書籍を搭載するようになった。このように一般向けの書籍に先駆けて学術論文の電子化が進んでいるが,ネットワーク系電子ジャーナルや電子書籍の長期保存が喫緊の課題となっている。
著者: 溝上智恵子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報