日本大百科全書(ニッポニカ) 「電気こんろ」の意味・わかりやすい解説
電気こんろ
でんきこんろ
electric hot plate
電熱線(ニクロム線または鉄クロム線)の抵抗発熱を利用したこんろ。代表的な電熱器の一つ。発熱体の形態により、露出型、密閉型およびシーズ型に区分される。露出型は、耐熱陶器の熱板上に渦巻状または花模様の溝を掘って、溝にコイル状の電熱線が収めてある。電気を流すと電熱線が赤く熱せられ、この熱をこんろとして利用する。家庭用としては600~1200ワットぐらいが多く、切り替えスイッチによって、2~3段階に熱量を切り替えられるもの、熱板から加熱面までの距離が変えられる五徳(ごとく)付きなどがある。密閉型は、発熱線が空気に直接触れないようにガラスなどで密閉したもので、おもにアメリカやヨーロッパで多くみられる。シーズ型は、発熱線をコイル状に巻いて金属管内に収納し、酸化マグネシウムにより絶縁・封印し、これを渦巻状にしたもので、最近では露出型にかわって使用されつつある。これは、発熱線が露出していないので、安全で寿命が長く、熱量調節スイッチにより加熱量が選べるなどの長所がある。電気こんろを使う場合は、鍋(なべ)ややかんの底の平らなもので熱板より大きめなものを選び、熱板に密着させると熱のむだが少なく効率がよい。電気こんろは、JIS(ジス)(日本工業規格)によって性能・構造・材料・表示等が規定されている。
[石井寛夫]