露塵(読み)ツユチリ

デジタル大辞泉 「露塵」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐ちり【露×塵】

きわめてわずかなことや、また、価値のないもののたとえ。
「いよいよ不平いだけど―ほども外にはいださず」〈露伴五重塔
(あとに打消しの語を伴って副詞的に用いて)少しも。全然。
我等の命、―惜しからじ」〈三河物語・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「露塵」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐ちり【露塵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事のきわめてわずかなことのたとえ。つゆやちり。
    1. [初出の実例]「つゆちりのこともゆかしがり」(出典:枕草子(10C終)二八)
  3. 無価値なもの、棄てて顧みないもののたとえ。
    1. [初出の実例]「命を露ちり、土砂踏み立て一寸去らず挑み合」(出典:浄瑠璃・信州川中島合戦(1721)一)
  4. ( あとに打消の語を伴って、副詞的に用いる ) 少しも。全然。
    1. [初出の実例]「つゆちり物とらせんの心なし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)
  5. 転じて、無いことをいう。〔名語記(1275)〕

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