青山播磨(読み)あおやま・はりま

朝日日本歴史人物事典 「青山播磨」の解説

青山播磨

江戸時代の,お家の重宝の皿を割った腰元殺害,井戸へ投げ込んだという「皿屋敷」譚の主人公。実説は明らかではなく,江戸あるいは播州姫路のほか多くの地に伝わる。元禄(1688~1704)ごろから広まった伝説で,享保(1716~36)に入って歌舞伎化されている。特に寛保1(1741)年,豊竹座初演の人形浄瑠璃播州皿屋舗」がこの伝説を世に広めた。この作の青山鉄山はお家乗っ取りを謀る敵役であった。殺された女はお菊とされることが多いが,男の名が青山播磨として親しまれるのは,近代になって,岡本綺堂作「番町皿屋敷」が上演されてからである。綺堂は近代的な愛の悲劇として描き,成功をおさめている。

(近藤瑞男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「青山播磨」の解説

青山播磨 あおやま-はりま

岡本綺堂(きどう)の新歌舞伎「番町皿屋敷」の主人公。
旗本。腰元お菊と恋におちるが,お菊が家宝の皿をわったのを,自分の恋心をためしたものといかり,斬り殺す。もとは江戸や播州姫路などにひろまった伝説で,寛保(かんぽう)元年(1741)「播州皿屋敷」として青山鉄山を主人公に浄瑠璃(じょうるり)となり,その後歌舞伎の「皿屋敷」物がつくられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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