青木昆陽墓(読み)あおきこんようのはか

国指定史跡ガイド 「青木昆陽墓」の解説

あおきこんようのはか【青木昆陽墓】


東京都目黒区下目黒にある江戸時代中期の実学者・儒学者、青木昆陽の墓。目黒不動の名で知られる瀧泉寺(りゅうせんじ)の墓地にある。日本橋の魚問屋の子として生まれ、27歳のときに八丁堀私塾を開設したが、昆陽の名を世に知らしめたのは甘藷(かんしょ)(さつまいも)栽培の導入で、その功績を称えるため、墓は1943年(昭和18)に国の史跡に指定された。さつまいもは薩摩芋の名のとおり、江戸時代に琉球から薩摩(鹿児島)を経由して日本に入ってきたが、当時、薩摩富士(開聞岳(かいもんだけ))の火山灰に覆われたやせた土地でも栽培できたことから、飢饉(ききん)のときの救荒作物として重宝されたという。そのさつまいもを全国に広めるのに一役買ったのが青木昆陽で、昆陽は晩年を目黒で過ごし、みずから「甘藷先生墓」と刻んだ墓所に眠っている。境内にはさつまいも業者(甘藷組合)が明治時代に建てた「昆陽青木先生之碑」と「甘藷講碑」がある。東急目黒線不動前駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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