静止質量(読み)セイシシツリョウ(その他表記)rest mass

デジタル大辞泉 「静止質量」の意味・読み・例文・類語

せいし‐しつりょう〔‐シツリヤウ〕【静止質量】

相対論的力学で、質量速度によって変化する値と定義するときに、速度零の場合の質量。ニュートン力学における質量と等しい。

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精選版 日本国語大辞典 「静止質量」の意味・読み・例文・類語

せいし‐しつりょう‥シツリャウ【静止質量】

  1. 〘 名詞 〙 観測者に対して静止している物体の質量。特殊相対性理論によれば、観測者に対して動いている物体の質量は大になる。

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改訂新版 世界大百科事典 「静止質量」の意味・わかりやすい解説

静止質量 (せいししつりょう)
rest mass

特殊相対性理論によると,速度vで動いている質量m質点エネルギーは,で与えられる。ここでc光速度である。v=0とおくとEmc2となり,これが有名なアインシュタインの関係式である。ところで上のv≠0に対する式を,v=0の式にならってEmvc2と書くと,となる。これは,質量mv)は速度とともに増加し,vcで∞になることを示す。すなわち,一定の力を加えた場合,速度が大きくなるほど加速しにくくなることを意味する。どんなに加速しても質点の速度を光速以上にすることができないのはこのためである。このように,速度に依存して変化する質量mv)に対して,元来の質量m(これはm(0)に等しい)のことを,とくに静止質量という。
質量 →相対性理論
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「静止質量」の意味・わかりやすい解説

静止質量
せいししつりょう
rest mass

相対論的力学では,運動物体の質量はその速さに応じて変化する。特に速さがゼロのときの質量を静止質量といい,物体固有の量 (固有質量) である。速さ v で運動する物体の質量は静止質量の 倍に増加する ( c は真空中の光速度 ) 。この質量を相対論的質量という。ニュートン力学でいう質量は静止質量である。

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世界大百科事典(旧版)内の静止質量の言及

【質量】より

…(V/c)2≪1のときには, mc2m0c2+1/2m0V2となることが容易に示され,右辺の第2項は通常のニュートン力学の運動エネルギーなので,物体はV=0のときにも第1項のm0c2で表されるだけのエネルギーをもっていると考えねばならない。これを静止エネルギーといい,このときの質量を静止質量と呼ぶが,これはある意味で質量とエネルギーの同等性(換算率c2)を示すものといえる。温度が高いほど物体のもつエネルギーは大きくなるので,この考えだと,高温にした物体は低温のときより質量が増すはずであるが,その差は小さすぎてとうてい測定できない。…

※「静止質量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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