…ほかに,全26巻の連続活劇《世界の女王》(1925)で馬やオートバイを疾走させ和製パール・ホワイトといわれた冒険女優・高島愛子,《奮闘児》(1926),《鉄血団》(1928),《大学の鉄腕児》(1931)などのスポーツ俳優・東郷久義,《街の旋風児》(1932),《摩天楼の顔役》,《熱血拳闘王》(ともに1933)などで〈昭和の鳥人〉といわれたハヤブサ・ヒデト(隼秀人)がいる。 これらの作品には外国映画を模倣したものが数多く,ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の《暗黒街》(1927),《非常線》(1928),《紐育の波止場》(1929),ジョン・フォード監督の《三悪人》(1925),ハワード・ホークス監督の《暗黒街の顔役》(1930,32)などが大きな影響を与えており,それはさらにギャング映画の流行となって,村田実監督,中野英治主演《摩天楼》(〈争闘篇〉1929,〈愛欲篇〉1930),田坂具隆監督,小杉勇主演《昭和新撰組》(1932),小津安二郎監督,岡譲二主演《非常線の女》(1933)などを生み出した。やがて第2次世界大戦の進展とともに,映画興行も制限され,外国活劇のヒットは見られたものの,日本の活劇は,わずかに黒沢明の柔道映画《姿三四郎》(1943),《続・姿三四郎》(1945)を例外として,戦争活劇が主体になっていった。…
※「非常線の女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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