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非晶質合金 ひしょうしつごうきんamorphous alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

非晶質合金
ひしょうしつごうきん
amorphous alloy

アモルファス合金ともいう。本来結晶質の金属を人工的に非晶質化した材料。微視的には古くベイルビー層以来論議があったが,材料としての研究は 1960年以降で,70年代に実用開発に入った。その非晶質性は不完全で,数十原子程度の短範囲規則領域の無秩序集合体であるが,巨視的には非晶質とされる。製造は超高速冷凍が主流で,ノズルから出る液体金属を高速で回転する冷凍面に衝突させ,瞬間凝固で非晶質化する (有効臨界冷却速度 105~106℃/秒 ) 。急冷効果 (結晶化抑止) のため,原子半径や原子価の異なる溶質を多く含み,共晶に近い組成の低融合金が適する。現行の材料は,鉄,ニッケル,コバルト基で,15~30 原子%のボロン,炭素,ケイ素,リンなどを含むものが主である。非晶質合金の特性は強さ,耐食性,軟磁性に特に著しい。引張り強さ 300~400kgf/mm2 で弾性域も粘靭性も高い。耐食性はクロム数%添加の鉄基合金でステンレス鋼をはるかにしのぐ。透磁率大,保磁力小,鉄損小を特徴とし,磁歪が大きい。これらの特性から,工具・ばね類,複合材料,軟磁性材料,磁歪振動子などに応用が期待される。欠点は 250℃程度で再結晶して非晶質特性を失うこと,急冷を要するため小径の線や極薄板しかできないことである。

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世界大百科事典内の非晶質合金の言及

【磁性材料】より

…この分野で活躍するのは金属ではなく,ソフトフェライトと呼ばれる鉄の酸化物Fe2O3にさらに他の酸化物が加えられた複合酸化物である。また,最近発展してきている非晶質合金にも高透磁率材料として期待されるものがある。
[永久磁石材料]
 硬質磁性材料とも呼ばれる。…

※「非晶質合金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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