(読み)しおで

精選版 日本国語大辞典 「鞖」の意味・読み・例文・類語

しお‐でしほ‥【鞖・四緒を手・四方手】

  1. 〘 名詞 〙 馬具の名。鞍の前輪(まえわ)後輪(しずわ)左右それぞれつけた、金物の管を入れた紐。鞅(むながい)・鞦(しりがい)をとめるためのもの。管に円形平板をつけたものを鏡鞖(かがみしおで)という。後輪の鞖には別に食料などを結び下げる紐を下げて餉付(かれいつけ)または取付(とっつけ)という。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「綴(つづき)が首をしをでの根に結ひ付けて、馬に打ち乗り」(出典源平盛衰記(14C前)二一)

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改訂新版 世界大百科事典 「鞖」の意味・わかりやすい解説

鞖 (しおで)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【鞍】より

…居木は乗り手が腰をすえるところで4枚のものと2枚のものとがあり,方孔を設けて,鞍橋を馬に固定するための腹帯(はるび)と(あぶみ)につながる力革(ちからがわ)を通す。前輪・後輪の外半部を海,内半部を磯とよび,磯には胸繫(むながい)や尻繫(しりがい)をとめるための鞖(しおで)がつけられている(図)。鞖は四方手とも書き,日本の5,6世紀には青銅,金銅または鉄の鉸具(かこ)あるいは遊環が多かったが,奈良時代以後は革または組紐で輪につくってその用にあてた。…

【馬具】より

…馬につける装具を総称して馬具という。ただし,一般に馬具というと騎馬の装具を指し,車馬具と区別して用いることがこれまで多かった。車馬具というのは,車の部品および馬の装具として用いられた青銅金具であって,中国の殷・周時代に王や諸侯の大墓に添えて葬られた車馬坑からともに出土し,また甲骨文には〈車馬〉の語が用いられ,周室の臣が天子に朝見して官職・車服を賜ったことを青銅器に刻んだ金文には,車とともに馬匹が記されているから,車馬具として一括することは十分に意味がある。…

※「鞖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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