鞠(漢字)

普及版 字通 「鞠(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 17画

[字音] キク
[字訓] けまり・かがむ・しらべる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(きく)。〔説文〕三下に「鞠(たふきく)なり」とあり、けまりをいう。に借用することが多く、〔書、盤庚中〕「爾(なんぢ)惟(こ)れ自ら鞠(くる)しみ自らしむ」、〔詩、小雅、〕「母や我を鞠(やしな)ふ」、〔詩、小雅、節南山〕「鞠」、〔論語、郷党〕「鞠躬如(きくきゅうじょ)」などはみなの字義である。また訊鞠の字義。

[訓義]
1. けまり。
2. と通じ、かがむ、きわまる、つつしむ、やしなう、おさない、はらばうの諸義に用いる。
3. と通じ、しらべる、ただす、せめる、つげる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕鞠・鞫 万利(まり) 〔和名抄〕鞠 万利(まり) 〔名義抄〕鞠・鞫・ オサナシ・ツツシム・ミツ・キビシ・タモツ・ヤシナフ・ヲシフ・トフ・トブラフ・マリ・キハム・ツクス・ツグ・カタシ 〔字鏡集〕鞠 タモツ・ツツシム・ミツ・カガム・タカシ・ヲサナシ・ヲシフ・ヤシナフ・ツクス・マリ・ヲス・ハグクム・ツク・キビシ・キハム・トブラフ・トフ

[語系]
鞠・・掬・kiukは同声。抱いて養育する姿勢、苦しんで身をかがめる姿勢、深く身をかがめて拝する姿勢、きびしく罪人を窮治するときの姿勢、俯して両手を用いる姿勢など、みな似ているので、同系の語となる。鞠はそれらの語義と通用するところがある。

[熟語]
鞠按鞠域・鞠育・鞠歌鞠劾鞠戯鞠躬鞠窮鞠凶・鞠・鞠鞠護鞠侯鞠獄鞠子・鞠室鞠仗・鞠場鞠訊・鞠治鞠稚・鞠問鞠養・鞠旅
[下接語]
育鞠・撃鞠・蹴鞠・訊鞠・撫鞠

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報