国指定史跡ガイド 「須釜東福寺舎利石塔」の解説
すがまとうふくじしゃりせきとう【須釜東福寺舎利石塔】
福島県石川郡玉川村南須釜にある石造の供養塔。東福寺境内の一隅にあり、方形の石塔で高さは約180cm。宝珠を置いた屋根と塔身、台座とで構成されている。正面に扉の形があり、その周囲に弥勒浄土の49院の名前が刻まれている。塔の内部中央に穴があり、舎利(遺骨)を納めたものと考えられている。この穴を大日如来の石像でふさいであり、像の背に「元久二年乙丑開山宥元代」という銘があり、西暦では1205年。「宥元」とは東福寺を開山した僧である。鎌倉時代の弥勒浄土往生の思想を表現する稀有の構造をもち、1935年(昭和10)に国指定史跡となった。JR東北本線泉郷駅から車で約20分。