領ず(読み)ロウズ

デジタル大辞泉 「領ず」の意味・読み・例文・類語

ろう・ず〔ラウず〕【領ず】

[動サ変]
りょう(領)する1」に同じ。
入道の―・じ占めたる所どころ」〈明石
りょう(領)する3」に同じ。
「この―・じたりける物の身に離れぬ心地なむする」〈夢浮橋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「領ず」の意味・読み・例文・類語

ろう‐・ずラウ‥【領】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙 ( 「ろう」は「りょう(領)」の直音表記 )
  2. 領地荘園家屋などを自分のものとして所有する。
    1. [初出の実例]「川のあなたに、按察の大納言のらうじ給ふ所ありける」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 人や物事を自分のものにする。ひとりじめにする。
    1. [初出の実例]「良清がらうじていひしけしきもめざましう」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
  4. とりこにする。物の怪(け)などがとりついて離れない。
    1. [初出の実例]「猶このらうじたりける物の身にはなれぬ心地なんする」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夢浮橋)

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