改訂新版 世界大百科事典 「頭組」の意味・わかりやすい解説
頭組 (かしらぐみ)
能や長唄の用語で,打楽器の手組(てくみ)の一種。一定の打音と掛声とが一定の順序に配列されたものを手組といい,打楽器の楽句を構成する最小単位であるが,その性格(用途)によって,地ノ類,頭組ノ類,手ノ類などに分けられる。そのうち基礎であり,リズムの母体となる手組を〈地ノ類〉と呼ぶが,頭組は,この地の連続を途中で打ち切って段落をつけることを目的とする手組である。普通,太鼓では頭(かしら)と呼ぶ一つの頭組しか用いないが,大鼓はコス頭,タタム頭,五ッ頭など,小鼓はオドル頭,タタム頭,二ッ頭など数種の頭組を用いる。
なお,頭組に付属する手組に,地ノ類から頭組ノ類へ移行するための〈打カケ・打切ノ類〉と,頭組を延長するための〈打返ノ類〉がある。
執筆者:松本 雍
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報