六訂版 家庭医学大全科 「頸管無力症」の解説
頸管無力症
けいかんむりょくしょう
Cervical incompetence
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
子宮口の近くの細長い部分を子宮
妊娠して胎児が大きくなってくると、頸管は内側から開いてきて、知らないうちに子宮口が開いてしまい、流早産となってしまうことがあり、これを頸管無力症といいます。子宮収縮が強く起これば、誰でも子宮口が開きますが、収縮がなくても開くのが特徴です。
原因は何か
数百人に1人の割合で、体質的に頸管が弱い人に起こると考えられています。
症状の現れ方
かつては、純粋な頸管無力症は、最初は無症状で、子宮口が開いて少量の子宮出血があって初めて見つかっていました。今では、
一般的に、最初の妊娠で症状がみられた人は、次の妊娠でも症状が出ます。軽度の症状は、数%の人にみられます。
検査と診断
子宮の収縮により子宮口が開く
治療の方法
子宮口が開きかけているのが見つかったり、前の妊娠で頸管無力症のため流産になっていたりする時は、早めに頸管をしばる手術(
開いてからしばる際は、頸管に細菌感染などによる炎症があると、炎症を閉じ込め、かえってすぐに
子宮収縮がある切迫早産では、頸管縫縮術で治療することはできません。
坂井 昌人
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報