家庭医学館 「頸管無力症」の解説
けいかんむりょくしょう【頸管無力症 Cervical Incompetency】
妊娠中期以降に、切迫流産(せっぱくりゅうざん)(「切迫流産」)の徴候もなしに子宮口がやわらかくなって開いてしまい、やがて破水(はすい)し、流産してしまうものを、頸管無力症といいます。
頸管無力症は、流産のおもな原因となり、一度おこると、つぎの妊娠時も同じようにおこりやすいと考えられています。
[検査と診断]
妊娠中は、内診や超音波検査によって、子宮口の開き具合ややわらかさを調べて診断します。
前回の妊娠が流産や早産だった場合は、妊娠前にバルーンを使った検査や、造影検査などで頸管の状態を把握しておくという試みもされています。
[治療]
子宮口が開き始めたばかりで、流産になる前であれば、子宮頸管を輪状にしばる頸管縫縮術(けいかんほうしゅくじゅつ)が行なわれます。
前回の妊娠で、中期以降に頸管無力症のため流産や早産をしてしまった場合や、妊娠していないときも子宮口が広がっているなどで、今回も頸管無力症が疑われるときは、妊娠4~5か月で予防的に頸管縫縮術を行なうこともあります。