頻る(読み)シキル

デジタル大辞泉 「頻る」の意味・読み・例文・類語

しき・る【頻る】

[動ラ五(四)]《動詞「し(頻)く」と同語源》
続いて起こる。
八日ばかりの物忌―・りつつなむ」〈かげろふ・中〉
産気づく。
中宮はひまなく―・らせ給ふばかりにて」〈平家・三〉
動詞の連用形に付いて、しきりに…する、盛んに…する、の意を表す。「雨が降り―・る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「頻る」の意味・読み・例文・類語

しき・る【頻】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 同じ事が何度も続いて起こる。たび重なる。しげくなる。
    1. [初出の実例]「時に勇士来目(くめ)といふ者有りて、刀を抜きて急に馳せて、直に軍の中に入る。騎士(むまいくさ)継踵(シキリ)て進む」(出典日本書紀(720)天武元年七月(北野本訓))
    2. 「ゆきめぐり見ともあかめや名寸隅(なきすみ)の舟瀬の浜に四寸流(シきル)白浪」(出典:万葉集(8C後)六・九三七)
  3. 産気づいて痛みがたび重なる。陣(しきり)がくる。
    1. [初出の実例]「中宮はひまなくしきらせ給ふばかりにて、御産もとみに成やらず」(出典:平家物語(13C前)三)
  4. ( 動詞の連用形に付いて補助動詞的に用いる ) さかんに…する。しばしば続く。しげくなる。
    1. [初出の実例]「アメ ガ フリ shikiru(シキル)」(出典:和英語林集成初版)(1867))

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