頼る(読み)タヨル

デジタル大辞泉 「頼る」の意味・読み・例文・類語

たよ・る【頼る/便る】

[動ラ五(四)]《「寄る」の意》
たのみとする。つてを求めて近づく。「友人を―・って上京する」
助けとして用いる。依存する。「つえに―・って歩く」「自然の恵みに―・る」
[可能]たよれる
[類語]縋る依存

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「頼る」の意味・読み・例文・類語

た‐よ・る【頼・便】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 助けやよすがになるものとしてとりすがる、または心を寄せる。何かを期待して接近する。現在では「…をたよる」の形で他動詞的にも用いる。
    1. [初出の実例]「笛の音に神の心やたよるらんもりの野風も吹きまさるなり」(出典:赤染衛門集(11C中))
    2. 「わがたよる所は、必(かならず)家さかへ繁昌するぞかし」(出典浮世草子西鶴織留(1694)二)
    3. 「知人の許をたよって行けと教へた」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部)
  3. よりどころとして用いる。依存する。かかわりをもつ。
    1. [初出の実例]「晴れ残る雲のひとむらたより来てまた降りいづる夕時雨かな〈憲円〉」(出典:続門葉(1305)冬)
  4. 恋心をもって異性に近づく。言い寄る。くどく。
    1. [初出の実例]「継母よろしく取なし〈略〉、人の娌などたよるを頻りに申せば」(出典:浮世草子・本朝二十不孝(1686)四)

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