顔鳥(読み)カオドリ

デジタル大辞泉 「顔鳥」の意味・読み・例文・類語

かお‐どり〔かほ‐〕【顔鳥/容鳥/貌鳥】

《古くは「かおとり」》鳥の名。カッコウその他諸説があるが、実体不明。かおよどり。 春》「―に顔を並べて長閑なり/成美
「―の間なく屡鳴しばなく」〈・三七二〉

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精選版 日本国語大辞典 「顔鳥」の意味・読み・例文・類語

かお‐どりかほ‥【顔鳥・容鳥・貌鳥】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「かおとり」 ) 鳥の名。なに鳥かは不明。かおよどり。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「春日を 春日(かすが)の山の 高座(たかくら)の 御笠の山に 朝さらず 雲居たなびき 容鳥(かほとり)の 間無くしば鳴く」(出典:万葉集(8C後)三・三七二)

顔鳥の補助注記

中古以後おおむね、「かおどり」の語義を、「かおばな」と同じく、容姿の美しい鳥と考えているが、雉(きじ)の雄、鴛鴦(おしどり)翡翠(かわせみ)雲雀(ひばり)、梟(ふくろう)、鴟鵂(みみずく)、蚊母鳥(よたか)虎鶫(とらつぐみ)、青鳩(あおばと)、河烏(かわがらす)郭公(かっこう)など、諸説ある。

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