日本歴史地名大系 「風早村」の解説 風早村かざはやむら 広島県:豊田郡安芸津町風早村[現在地名]安芸津町風早三津(みつ)村の西南に位置し、南東は三津湾に面する。三方が山地で、一方が海岸の平地。西の大田(おおだ)村から東流する高野(たかの)川のほか薑(はじかみ)川・小畑(こばた)川など村内の河川はすべて南流し海に入る。三津湾内の竜王(りゆうおう)島・大芝(おおしば)島・小芝(こしば)島などは当村域に属し、海岸には干潮のとき現れ、満潮時に隠れる石の多い州「磯そね」が多い。「万葉集」巻一五に「風早浦」の名がみえ、奈良時代の瀬戸内海航路の要地とされている。また「続日本後紀」天長一〇年(八三三)一〇月九日条に「安芸国言、賀茂郡人風早富麿、徳行懿美、孝養自厚、父母歿後、口絶五味、哀慕之情無忘時、勅叙三階免戸田租」とある風早富麿はこの地の住人であったといわれる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報