日本歴史地名大系 「風谷峠」の解説 風谷峠かぜたにとうげ 石川県:江沼郡山中町風谷村風谷峠風谷町から福井県金津(かなづ)町権世市野々(ごんぜいちのの)に通ずる県境の峠。標高約五一〇メートル。近年、北側に新道ができてほとんど廃道化している。越前側は比較的緩やかな道であったが、風谷からはかなりの険路で四七坂もあるといわれ、俗にイロハ峠ともいった(江沼郡雑記)。いわゆる享禄の錯乱で越前に逃れていた山田光教(やまだこうきよう)寺(顕誓)ら賀州三ヵ寺派は、牛(うし)ノ谷(や)(現金津町)に在陣して江沼奪回を計っていたが、天文三年(一五三四)黒瀬左近四郎が出陣を装って風谷を越えて加賀に逃亡、この裏切りで計画は完全に失敗した(朝倉始末記)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by