風鐸(読み)フウタク

デジタル大辞泉 「風鐸」の意味・読み・例文・類語

ふう‐たく【風×鐸】

仏堂仏塔の軒の四隅などにつるす青銅製の鐘形の鈴。宝鐸
風鈴ふうりん

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精選版 日本国語大辞典 「風鐸」の意味・読み・例文・類語

ふう‐たく【風鐸】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 堂塔などの軒の四すみなどにつるして飾りとする、青銅製で鐘形をした鈴。宝鐸。
    1. [初出の実例]「風鐸露盤。照耀於星漢之暁」(出典江都督納言願文集(平安後)二・院被供養熊野山多宝塔願文)
    2. [その他の文献]〔宋之問‐奉和聖製登二寺閣詩〕
  3. ふうりん(風鈴)

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普及版 字通 「風鐸」の読み・字形・画数・意味

【風鐸】ふうたく

風鈴。堂・塔などの軒先の角のところにつける。唐・白居易悟真寺に遊ぶ〕詩 對、寶多し 風鐸、四端に鳴る

字通「風」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「風鐸」の意味・わかりやすい解説

風鐸 (ふうたく)
fēng duó

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世界大百科事典(旧版)内の風鐸の言及

【鐘∥鉦】より

…インドでは前6世紀ころからヒンドゥー教で小型の鈴(れい)は音楽に,蓮の花をかたどった大型の鐘は寺院の入口につり下げられて使用されたといわれている。仏教においても同様に鈴(れい)と鐘が広く用いられたほか,多くの風鐸が寺院や仏塔の軒につられ,風の力で壮大な響きを作り出したが,東方への伝播と共に開放部が円形の鐘が中国でも作られるようになり,さらに鐘の音を信仰心のあらわれとする朝鮮半島の人々の信条から,同地域で巨大な鐘の鋳造が盛んになって中国,日本に及び,この地域独特の梵鐘が誕生した。中央アジアでは,鐘は先史時代から遊牧民族の生活に則した小型のものが用いられ,西アジアでは前1000年ころからまず鈴(れい)が祭礼に用いられ,次いで前500年ころから同地域一帯で小型の鐘が動物につけられるようになったといわれている。…

【鐸】より

…正倉院には聖武天皇の一周忌(757)に使った幡(ばん)につるした有鈕有舌のかねが伝存し,〈東大寺枚幡鎮鐸……〉の銘をもつ。今日,風鐸と呼ばれるものは,堂塔の軒あるいは相輪に垂下し,舌が風に揺れ身に触れて鳴るかねで,《西大寺資財流記帳》は,奈良西大寺薬師院薬師金堂,弥勒金堂の風鐸を〈鐸〉〈銅鐸〉と表す。また薬師金堂の鴟尾(しび)の上に飾られた金銅製の鳳凰が,口に〈銅鐸〉をくわえていたとも記している。…

【風鈴】より

…風鐸(ふうたく)ともいう。鐸とは形が鐘に似て,中央に舌(ぜつ)がつり下げられ,舌の先の錘(すい)が内側を打って音を出すものを指す。…

※「風鐸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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