出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
青銅製の〈かね〉の一種。中国では有柄有舌の〈かね〉をさす。すなわち,筒状の身(かねの本体)の閉じた方の端に長い柄が直立し,他端は開いたまま終わる。身の内側につるした発音用の棒(舌(ぜつ))を振り鳴らす。周代に出現し,〈鐸〉の銘をもつ実例もある。一方,中国では有鈕有舌のかね,つまりつり手(鈕(ちゆう))をそなえた揺れ鳴るかねを鈴と呼んだが,日本では7~8世紀以来,これを鐸の文字で表現し,〈さなぎ〉〈ぬりて〉〈ぬで〉と訓じた。正倉院には聖武天皇の一周忌(757)に使った幡(ばん)につるした有鈕有舌のかねが伝存し,〈東大寺枚幡鎮鐸……〉の銘をもつ。今日,風鐸と呼ばれるものは,堂塔の軒あるいは相輪に垂下し,舌が風に揺れ身に触れて鳴るかねで,《西大寺資財流記帳》は,奈良西大寺薬師院薬師金堂,弥勒金堂の風鐸を〈鐸〉〈銅鐸〉と表す。また薬師金堂の鴟尾(しび)の上に飾られた金銅製の鳳凰が,口に〈銅鐸〉をくわえていたとも記している。7~8世紀に発見された弥生時代の銅鐸は,すでにその用途や名称が伝えられていなかったが,当時知られていたかねのうち,鐘ではなく鐸と判定され,その名を得たのであった。
→鈴(すず) →銅鐸
執筆者:佐原 眞
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
銅または青銅で鋳造した大型の鈴。鐸鈴(たくれい)ともいう。扁平な鐘状をなしており、上部につく細長い柄(え)を持って振り鳴らした。古代中国では、教令を宣(の)べる際、人民を戒めるために鳴らし、文事には木製の舌(ぜつ)、軍事には金属製の舌を用いたという。木舌をもつものを「木鐸(ぼくたく)」といい、転じて世人を教え導く者の意を表す。日本では「ぬて」「ぬりて」「さなき」とも称した。寺院などで用いる「風鐸」は、軒下に吊(つ)るし風に鳴らす鈴である。
[兼築信行]
…身の内側につるした発音用の棒(舌(ぜつ))を振り鳴らす。周代に出現し,〈鐸〉の銘をもつ実例もある。一方,中国では有鈕有舌のかね,つまりつり手(鈕(ちゆう))をそなえた揺れ鳴るかねを鈴と呼んだが,日本では7~8世紀以来,これを鐸の文字で表現し,〈さなぎ〉〈ぬりて〉〈ぬで〉と訓じた。…
…身の内側につるした発音用の棒(舌(ぜつ))を振り鳴らす。周代に出現し,〈鐸〉の銘をもつ実例もある。一方,中国では有鈕有舌のかね,つまりつり手(鈕(ちゆう))をそなえた揺れ鳴るかねを鈴と呼んだが,日本では7~8世紀以来,これを鐸の文字で表現し,〈さなぎ〉〈ぬりて〉〈ぬで〉と訓じた。…
…身の内側につるした発音用の棒(舌(ぜつ))を振り鳴らす。周代に出現し,〈鐸〉の銘をもつ実例もある。一方,中国では有鈕有舌のかね,つまりつり手(鈕(ちゆう))をそなえた揺れ鳴るかねを鈴と呼んだが,日本では7~8世紀以来,これを鐸の文字で表現し,〈さなぎ〉〈ぬりて〉〈ぬで〉と訓じた。…
…レイは有鈕有舌,すなわち筒状の身の閉じた方の端に鈕をそなえ,もう一端は開いて終わり,内側に発音用の棒(舌(ぜつ))を吊して,これが身を打って発音する。このレイを日本では,銅鐸,風鐸,馬鐸などのように,古くから鐸(たく)と呼ぶ。しかし中国で鐸とするのは有柄有舌のカネで,鈕によって吊り下げるのではなく,把手をそなえ,これを握って揺らし鳴らすものをいう。…
…〈鈴〉の字をレイと読む場合,日本では有柄有舌の体鳴楽器,すなわち把手をもち内部に舌(ぜつ)を吊るして,振ると舌が本体の内側を打って発音するものをいい,一般には密教法具の金剛鈴(こんごうれい)を指す。しかし中国で〈鈴〉とするものは,スズや日本のレイと異なり,有鈕有舌の鐘(かね),すなわち吊り手をもち,内部に舌を吊るすものをいい,日本ではこれを古くから鐸(たく)と呼んでいる。さらに中国ではレイにあたる有柄有舌のものに鐸の字を用いており,混乱を招きやすい。…
※「鐸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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