飛鳥井雅康(読み)あすかいまさやす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「飛鳥井雅康」の意味・わかりやすい解説

飛鳥井雅康
あすかいまさやす
(1436―1509)

室町時代公卿(くぎょう)、歌人書家飛鳥井雅世(まさよ)の次男。二楽軒(じらくけん)と号す。兄雅親(まさちか)の養子となり、和歌蹴鞠(けまり)の名手として尊重を受けた。足利(あしかが)将軍家両道師範をも務めている。官位は権中納言(ごんちゅうなごん)に昇ったが、3年にして辞し、1482年(文明14)には近江(おうみ)松本で薙髪(ちはつ)した。法名を宋世という。家集に『雅康卿(きょう)詠草』『宋世百首』などがあり、歌学書『飛鳥井秘伝集』、紀行『富士歴覧記』を著している。その書は、江戸時代初期に編まれた書流系譜によれば、二楽流の祖として分類されている。

[久保木彰一]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「飛鳥井雅康」の解説

飛鳥井雅康 あすかい-まさやす

1436-1509 室町-戦国時代の公卿(くぎょう),歌人。
永享8年生まれ。飛鳥井雅世(まさよ)の次男。兄雅親(まさちか)の養子となる。家職をつぎ,足利将軍家の和歌,蹴鞠(けまり)両道の師範となった。書道二楽流の祖。正三位,権(ごんの)中納言。文明14年出家し宋世と称した。永正(えいしょう)6年10月26日死去。74歳。号は二楽軒。著作に「宋世口伝」「蹴鞠条々大概」,家集に「雅康卿詠草」など。

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朝日日本歴史人物事典 「飛鳥井雅康」の解説

飛鳥井雅康

没年:永正6.10.26(1509.12.7)
生年:永享8(1436)
室町時代の公家。権中納言雅世の次男。法名は宋世。二楽軒と号す。兄雅親の養子となり,家を継ぎ,権中納言に昇進した。文明13(1481)年には官を辞し,翌年出家。蹴鞠,和歌をよくしたが,ことに書においては二楽流の祖として著名転折にやや筆癖がみられるが,筆力の充実した,たくましい書風である。

(島谷弘幸)

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