(読み)シ

精選版 日本国語大辞典 「飼」の意味・読み・例文・類語

かいかひ【飼】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かう(飼)」の連用形の名詞化 )
  2. 馬や牛などに餌を与えること。飼い育てること。飼育。
    1. [初出の実例]「某の帰るまで、六匹の牛に飼をしておくりやれ」(出典:鷺賢通本狂言・木六駄(室町末‐近世初))
  3. 馬や牛などに与える飼料。
    1. [初出の実例]「かまひてかまひて、まぜなどよくして、かひなどをも念を入てひだるうなひやうにしてくれさしめ」(出典:虎明本狂言・人馬(室町末‐近世初))
  4. 魚釣りなどに用いる餌(えさ)。つける餌によって鰺飼(あじかい)、鰯飼(いわしかい)などと呼ばれる(随・嬉遊笑覧(1830))。

かわ‐くかは‥【飼】

  1. ( 動詞「かう(飼)」のク語法 ) 飼うこと。動物を飼育すること。
    1. [初出の実例]「矢形尾のま白の鷹を宿にすゑかき撫で見つつ飼久(かはク)しよしも」(出典万葉集(8C後)一九・四一五五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「飼」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
14画

[字音]
[字訓] かう・やしなう

[字形] 形声
声符は司(し)。字はまた文に作り、金文にその字を飲食の食の意とする。飼は唐・宋以後に用例のみえる字である。

[訓義]
1. かう、やしなう。
2. かて、めし

[古辞書の訓]
名義抄 カフ 〔立〕 マケカム・ヤシナフ・ノム・カム

[熟語]
飼育飼縻飼秣・飼民・飼養
[下接語]
飲飼・供飼・飼・召飼・餉飼・秣飼養飼

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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